2010年8月6日金曜日

「坂の上の雲」に隠された歴史の真実 / 福井雄三


司馬遼太郎の名著「坂の上の雲」は必ずしも史実に基づいておらず、作者の個人的な想像もふんだんに取り入れられていますよ、すべてが正しいわけではないですよ。という内容を想像していたのですが、実際は坂の上の雲以外の内容も多分に触れられている為、タイトルを「坂の上の雲~」としているのには若干の違和感を覚えますが、一冊の本としてはとても面白いです。

この本を読んで改めて思ったのは、「事実や真実を理解するためには、多角的な分析が必要」ということ。僕なんかはそんなに頭がいい方ではないので、学生時代は本に書かれていたことをそのまま自分の知識として取り入れていたけど、それは本当はとても危険なことですよね。特に近現代史に関してはいまだに決着をみていない部分が殆どだし。専門家ではないので、いろんな本やメディア媒体を参考にして、自分なりの全体的な像をつくるの程度でいいと思っていますが、明らかにおかしな記述があるメディアも少なくないが現状ですね。その点この本は信用性に足りる資料を基に書いていますので、安心して読めると思います。文章力もあるので、すらすら読めちゃいますよ。

ただし、後半は若干理想主義的に陥っている感があります。また、小林よしのりの「戦争論」に影響受けているのかな?と思われる記述もちらほら・・・

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