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2011年6月18日土曜日
パーソンセンタード・カウンセリングの実際 -ロジャーズのアプローチの新たな展開-
学生のときに精神医学や臨床心理学を専攻していたので、今でもたまにそういった関係の本を読むことがあります。
今回は実際のカウンセリングの場で一番良く使われているであろう来談者中心療法の最新の知見をまとめた本を読みました。
正直これはいただけない、といった記述が数多くあり、筆者の個人的な思い込みみたいなのも散見されました。実証的なデータに基づいた説明はゼロ。
来談者中心療法はキャリア・カウンセリングや、一般的な相談とかには向いていると思うけど、病態水準が神経症レベル以上の場合はかえって病気を悪化させてしまうんじゃないかと思います。
また、天才的なカール・ロジャーが成し遂げた理論であるということを盾に、自分のカウンセリングは素晴らしいものなのだ、と錯覚(思い込んでいる)してしまうカウンセラーの人も中にはいるんじゃないかな。
今はEvidence Based(実証に基づく)というキーワードが臨床の場面でも強く求められている時代なのですが、その中で、この本の読者は「スピリチュアル」とかある意味主観的なキーワードで話をすすめていたりします。
この本の中の半分は筆者の個人的な体験に基づいて書いていて、普遍化することは難しいようなことが多く書いているので、あまりオススメできません。臨床経験をつんだ人ならインスピレーションを得られると思います。あと、和訳があんまりよくないっすね。
途中で飛ばし読みしまくりましたwただし、後半部分のパーソンセンタードの精神病理学はなかなか読み応えがありました。
ロジャーズの来談者中心療法の入門として、僕が読んだ本の中でオススメしたいのは↓へ。國分康孝さんの本はキャリアカウンセリングの教材としてもよく使われています。
今度時間があればロジャーの論文集のレビューもしたいと思います。
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